これからの「お金」の話をしよう

(旧 システムトレードのススメ)

イントラデイデータの基礎分析(2)

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前回コラム「イントラデイデータの基礎分析」では、

5分足データを使って大型銘柄の1日の値動きのバイアスについて調査しました。 

 

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今回は大型銘柄ではなく値動きの激しい新興市場の銘柄について、テクニカルな値動きを調査していきます。

 

◆検証要領

<対象銘柄>

最近はやりの新興市場のゲーム株(3銘柄)

 

<観察期間>

日足のデータと5分足のデータの2通りのタイムフレームを検証します。

どちらも直近1000サンプルです。

つまり日足では2012年半ば~現在、5分足ではおよそ直近1ヶ月となります。

 

<観察方法>

テクニカル分析の最も基本である、自己相関を観察します。

自己相関(コレログラム)やRによる描画方法について詳細に知りたい方は、以下の書籍を参考にしてください。

現場ですぐ使える時系列データ分析 ~データサイエンティストのための基礎知識~

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 ◆結果

以下に日足と5分足のそれぞれの自己相関図を示します。

横軸がLAG(1~10まで)、縦軸が相関係数の値です。

点線は99%信頼区間を示します(要するに点線をオーバーしていれば有意)。 

 

(1)日足について

銘柄1(左)と銘柄3(右)についてLAG1の正相関が見られます。

「前日上昇していれば翌日も上昇する」と言った傾向です。

一般的に日本株はリバーサルが強いといわれていますが、このようなトレンド特性が見られるのは新興市場の銘柄ならではなのかもしれません。

 

グラフ1.ゲーム株3銘柄の自己相関図(日足)

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(2)5分足について

銘柄1(左)と銘柄2(中央)についてLAG1の逆相関が、

銘柄3(右)についてLAG1の正相関が見られます。

イントラデイの挙動は銘柄によって異なっており、個々の銘柄の挙動を踏まえてトレードする必要性が伺えます。

 

グラフ2.ゲーム株3銘柄の自己相関図(5分足)

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プロファイルに分けて調査すれば、いろいろと分かることがあると思います。

例えば、前場と後場に分類してみる、出来高の上昇傾向で分類してみる、などです。

 

イントラデイデータは日足に対して容量が大きく扱いづらくなるため、思わぬエッジが潜んでいる可能性もあります。