今回はどうでもいいようなお話です。
システムの評価指標の1つとしてドローダウンがあります。当然ながら最大値と最長期間とも小さいほうが良いのですが、実運用におけるストレスからはもう少し違った視点が良いのではないか、とも思います。
1.上り調子のときの一時的な損失について
例えば直近で300万稼ぎ、その反発として100万円を失ったとします。このとき単純に考えると100万円のドローダウンが発生していることになりますが、 運用上のストレスはそれほど大きくないと考えられます。
2.全く資産が伸びない期間について
ドローダウン上は0円となりますが、資産が伸びずに張り付いたままの期間は長引けば長引くほどツライものです。運用上のストレスは蓄積されていると考えられます。
3.大きな損失が発生した直後の回復期間について
一撃で大きな損失が発生した場合、当然ながらその翌日から地道に挽回していくことになります。このときシステムがすぐに復調すれば、損失発生直後のストレスは徐々に回復してくるはずです。しかしドローダウン期間だけに注目していると、この効用は観測できません。
以上のことからドローダウンだけでなくバランスカーブの騰落状況も合わせて確認するようにしています。バランスカーブの騰落状況とは、「一ヶ月前の資産に対して現在の資産がどうなっているか」です。この考え方で、上記の1~3がどのように評価されるか考えて見ます。
1.上り調子のときの一時的な損失について
バランスカーブの騰落状況は+200万円となり、特に問題のない状況のようです。
2.全く資産が伸びない期間について
バランスカーブの騰落状況は±0円となります。ただしこの場合、1ヶ月の期待値に対する触れ幅で判断します。1ヶ月の期待値が+100万円であれば当然ながらアンダーパフォーム期間であり、運用上ストレスがたまっている期間になります。
3.大きなドローダウンを食らった直後の回復期間について
ドローダウン期間が数か月にわたる場合を考えます。ドローダウン期間の最中にあっても、1ヶ月前に対して期待値どおりの利益が積み上がっていれば、ストレスはほぼ通常通りに回復していると考えられます。
計算期間が一ヶ月では騰落率のばらつきが少々大きいため、計算期間を長くすれば平滑化されてアウトパフォーム期間、アンダーパフォーム期間が明確になります。「この考え方が正しい」というわけではなく、「あくまでも多角的な視点が必要だ」ということです。