これからの「お金」の話をしよう

(旧 システムトレードのススメ)

株価データの収集

f:id:uki-profit:20171111161039j:plain

某株価データサイトが12月をもってデータ公開を終了するそうです。

今回はシステムトレードに使う株価データの収集について考えてみます。

 

 

1.株価データは一般公開してよいのか

 

株価データの公開には色々と問題が生じます。

 

まず、東証から購入したものを第三者に提供する場合、東証とのデータ配信契約が必要です。

 

次に、東証のサイトをスクレイピングしたデータを公開する場合、これは著作権法に抵触する可能性があります(というか抵触すると思います)。

東証のサイトに記載されているデータはQUICKまたはその提供元から提供されているものであり、著作権を含む一切の権利はQUICKまたはその提供元に帰属する、と謳われています。

株価データ以外の情報(サイトに記載されている図や写真など)の著作権も、東証に帰属しています。

 

最後に、他のデータ配信会社(証券会社やYahooファイナンスなど)から得たデータの場合、その著作権はデータ配信会社およびデータ元に帰属することになっています。

こちらも無断公開する場合は著作権法に抵触する可能性があります。

 

 

さらに、株価指数の公開はもう少し問題が厄介になります。

株価指数は考案・開発した団体が著作権および知的財産権を所有しているためです。

 

日経平均株価、日経平均・配当指数、日経平均VI、JPX400などは、日本経済新聞社がこれを保有しています。

TOPIX、東証業種別株価指数、東証REIT指数、東証マザーズ指数などは、東証がこれを保有しています。

 

これらの数値の公開や利用に関する権利は、すべて開発元の団体が保有しています。

 

結論として現在の日本のおける無断での株価データの公開は法律違反となる可能性が高いと思います。

 

 

ここからは個人的所見ですが、 個別銘柄の株価データは市場参加者全体が価格形成に関連しており、これを特定の人物・団体の所有物と認めるのは無理があるような気がします。

よって指数ならまだしも個別銘柄の株価データであれば、その公開についてとやかく言われる筋合いはないのでは、とも思います。

 

公正取引委員会には、このようなビッグデータの独占禁止について、しっかりと取り組んでもらいたいと思います(これは冗談です)。

 

 

ここで言いたいのは、システムトレードを行うためには毎日最新の株価データを仕入れる必要があり、その仕入れ元はそれなりに気を使って選定すべき、ということです。

さらに何らかの異常事態に備えて、できれば複数の仕入れ元を確保しておくことが望ましいと言えます。

 

これは、システムを運用する上での最低限必要なコストと考えておくべきです。

 

 

2.株価データの入手先

 

以下、それなりに信頼のおけるデータの入手先です。

 

(1)日足データ

 

(a)シストレツールで入手する

私はシストレツールの「イザナミ」を購入しているので、これを株価取得のメインで使用しています。

株価データは毎日アップデートされ、株式分割や併合がシームレスになるよう処理されています(ただし分割・併合の翌日以降でなければ反映されませんが・・・)。

 

データ期間:2000年以降

コスト:月額ライセンスは7700円/月、無期限ライセンスは162000円

 

(b)各証券会社ツールで入手する

証券会社のツールから株価データをダウンロードできます。

私はSBI証券を利用しているため、「ハイパーSBI」でダウンロードできることを確認しています。

 

データ期間:直近20年分

コスト:取引状況や口座状況にも依りますが、基本無料です。

 

(c)東証から購入する

東証のサイト(JPXデータクラウド)から購入できます。

 

データ期間:1974年以降

コスト:853円/1ヶ月分

 

(d)Yahooファイナンスで入手する

個別銘柄のページから入手できます。

最も容易で安価な方法だと思います。

ただしスクレイピングなどの自動取得は禁止されています。

 

データ期間:1983年以降

コスト:無料

 

 

(2)日中足(イントラデイ)データ

 

(a)証券会社ツールで入手する

短期間であれば、「ハイパーSBI」でティックデータが入手できます。

 

データ期間:直近25営業日程度

コスト:取引状況や口座状況にも依りますが、基本無料です。

 

(追記)

マネックス証券に口座開設すれば使用できる「トレードステーション」で分足のダウンロードができるようです(情報提供ありがとうございます)。

 

データ期間:直近10年(公式サイトより)

コスト:取引状況や口座状況にも依りますが、基本無料です。

 

(b)東証から購入する

ティックデータが東証のサイト(JPXデータクラウド)から購入できます。

ただしCSVの行数が4000万行程度あり、エクセルでのデータ加工は不可能であるため、DBソフトなどで扱う必要があります。

 

データ期間:1982年以降

コスト:1404円/1ヶ月分

 

(c)API等から入手する(参考)

こちらの方法は不確実性が高いものとなっています。

厳密なティックデータでなく、参照した時点の株価です。

楽天RSSを使うか、Google Financeの非公式APIでも入手可能のようです。

 

データ期間:ヒストリカルは不可

コスト:基本無料。

 

 

より専門的なツールとしてBloomberg端末やQUICK端末などがありますが、私は使っていないためどのような情報が取得できるかはよく分かりません。

そのうち導入してみようとも思っていますが、現時点では今のままで十分だと考えています。

 

上記以外にも探してみるといろいろな入手方法が存在すると思います。

他の入手方法をご存知の方は共有いただけると幸いです。