先週に引き続き、マーケットの魔術師を紹介します。
今週は[システムトレーダー編]です。
印象に残ったセンテンスをピックアップしてご紹介します。
(以下、引用は太字、所見は通常書体)
ロバート・パルド
きちんと動くと自分が知っているもの-安心して使えるもの-を見つけるべきだ、ということなのです。
システムの読解性は非常に重要だと思います。モデルが複雑であればあるほど、人間は疑心暗鬼に陥りやすくルールを破ってしまう可能性が高くなります。
チャーリー・ライト
相場には人間の行動が現れます。人間の性質、つまり恐怖と欲望の総体が現れるわけです。
長年にわたって機能するシステムとは、やはりこのような考え方が根幹にあると思います。相場の環境は数年で変化しても、そこで人間の取る行動はいつまでも変わらないのだと思います。
ルイス・ルカッチ
必ず相対的ボラティリティを使います。つまり、現在のボラティリティを過去のある期間のボラティリティと比べるのです。
人間はある事象について絶対的な感覚でなく相対的な感覚で判断します。「隣の芝生は青い」というように、何か比較する基準がないと判断のしようがないからです。レジーム判定などは特に相対指標を用いる必要があると思います。
ウェイン・グリフィス
ウェインは純粋なシステムトレーダーではないということである。自分の判断でシステムを補うことによってパフォーマンスが向上すると信じ、それを実行しようとしているのである。
これができる方は素晴らしいですね。私には無理です。とことんシステムに従います。
マイク・ディーバー
システムを開発するのは将来好成績を上げるためなんですが、どういうわけかそのことを見失ってしまう人がいるのです。
当然ながら、目的はバックテストのカーブをきれいにすることではありませんね。システムトレーダーの陥ってしまうあるあるの1つだと思います。
ビル・ダン
資産が52%ほどダウンしたと思います。そのときは動揺しましたね。それでも変更は一切しませんでした。その後は結局一年くらい一本調子でパフォーマンスが上昇することになりました。
52%のドローダウンでもシステムの運用を継続できる強者は殆どいないと思います。私はせいぜい10%が限界です。システムトレードは何よりも継続できることを第一に考えなければなりません。
マレー・ルジェーロ
私が辿り着いた結論は、成功した人達の使う方法の根拠を理解しないかぎり、ニューラルネットモデルを使っても市場で成果を上げることはできない、ということでした。そこで、出発点に戻って市場について知る必要のあることをゼロから学びなおしました。
私も始めはそうでした。「複数の銘柄をバックテストに掛けてバランスカーブの形状だけを考察する」というやり方でした。中身の1つ1つの事象に興味を持たなければ、いつまで経っても重要な発見は得られません。
う~ん、何度読み返しても勉強になります。