日経平均の連騰が16でストップしてしまいました。
残念ながら私はこの期間に利益を得ることはできませんでした。
私の戦略はロングショートであり、市場上昇の恩恵を直接受けることはできません。
それどころか、このように通常と異なるマネーフローが発生した場合、パフォーマンスはむしろ劣化するように思います。
ではこのようなロングショート戦略では、日経平均が連騰したこの期間にどのようなファクターにベットしていれば良かったのでしょうか?
今回はAI(というか機械学習)を使って、日経平均の連騰期間において重要度の高かったファクター(特徴量)を洗い出してみました。
1.検証要領
(1)機械学習手法
今回は決定木を使った集団学習であるXGB(Extreme Gradient Boosting)を使います。
XGBはその高い予測性能から非常に人気のある機械学習手法です。
XGBやランダムフォレストなどの集団学習では、各学習器で使用された変数(特徴量)の情報からそれぞれの変数の重要度がどれくらいであったか判定することができます。
今回、XGBを選定したこともそれなりの理由がありますが、この理由についてはそのうち記事にするかもしれません。
(2)目的変数
TOPIX500銘柄のリターン(10/2始値~10/27終値)を目的変数とします。
(3)説明変数(特徴量)
それぞれ銘柄の財務諸表の情報を用います。
変数の総数は130程度です。
2.結果
結果として重要度の最も高かった特徴量は、財務CFの一項目である「配当金の支払い(絶対額)」でした。
これはつまり、企業規模が大きく高い配当金を支払っている企業が日経平均連騰と関連が深かった、ということです。
以下、2位~4位が「棚卸資産」、「繰延税金資産」、「受取手形売掛金」となっています。
これらは全て流動資産の項目となっています。
5位は「自己株式」となっており、自社株買いとの関連が示唆されました。
以下、50位までのグラフを記載しておきます。
図1.日経平均連騰期間中にリターンとの関連が大きかったファクター
3.所見
今回行った検証ではオーバーフィッティングなどは何も考えていません。
あくまでもこの期間でどのファクターの重要度が高かったのか振り返ってみただけであり、今後の投資戦略に使えるようなものではないからです。
AI(機械学習)の手法にもよるのでしょうが、AIとはあくまでも可視化のツールであり、因果推論には向いていないかもしれませんね。
そこからストラテジーへの落とし込みは、やはり人間が考えたほうが良いのだと思います。
AIはあくまでも支援ツール以上にはなりえない気がします。
「今回の日経平均の連騰では『配当金の支払い』が最も関連が深かったんだ!」
「ふ~ん。それで??」
関連コラム:以下、市況に注目したコラムとなります。