これからの「お金」の話をしよう

(旧 システムトレードのススメ)

書評(4)

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次はパンローリングのウィザードブックシリーズから紹介します。

 

「ウォール街のモメンタムウォーカー」 ゲイリー・アントナッチ 2015年

 

原題は「Dual Momentum Investment」であり、2014年に米国で発刊されています。邦訳本のタイトルはバートン・マルキール著の「ウォール街のランダムウォーカー」をもじったものです。著者のアントナッチ氏はモメンタム投資の有効性を長年にわたって研究しており、その主張がランダムウォークと対峙しているため、訳者がこのように名付けたものと考えられます。

 

さて内容ですが、パンローリングの本はどちらかと言えば実務的なものが多いのですが、この本は学術的であり大長編の論文を邦訳したような印象を受けます。モメンタム関連の論文を数多く引用しており、モメンタム研究のまとめ本と考えてもよいかもしれません。具体的な戦略の記述とバランスカーブの記載があることも好感が持てます。この本の戦略は保有期間が数ヶ月のアセットアロケーション戦略です。従ってデイトレ向きではないのですが、何らかのインスピレーションは得られるかもしれません。

本の価格が5184円とかなり高いため、こちらもKindle Unlimitedで読むことをお勧めします。もしくは「Dual Momentum」で論文検索すると著者の論文がいくつもヒットしますので、英語が苦にならない方はそちらでも良いかもしれません。