これからの「お金」の話をしよう

(旧 システムトレードのススメ)

株式投資-投資理論

期待値の確からしさ

前回の記事で記述した「期待値の確からしさ」について考察します。 期待値の確からしさは本来であれば理論的に求めるべきなのですが、現実のデータは複雑に絡み合っており解が求まることはまずありません。よってこれを求めるには実践的な手法に頼るしかあり…

トレーディング・エッジの在処

相場で利益を得るためにはトレーディング・エッジが必要です。 トレーディング・エッジの厳密な定義は「トレードにおける統計的有意性」となります。これは単に期待値と考えても構いませんが、その場合は期待値の「確からしさ」が問題となります。バックテス…

相関関係か因果関係か

2つの変数の間に相関関係が見られるとき、それが単なる相関関係なのか因果関係なのかを見分けることが重要と言われます。 過去のコラムの「投資部門別売買状況(1)」で紹介した事例を挙げると、「相場の下落」と「個人投資家の買い」に相関関係が見られた…

システムの定義

唐突な話題となりますが、「システムトレード」の定義とは何でしょうか? Wikiでは「投資を行う際に裁量を排し一定売買ルールに従って売買を行う方法」とあります。システムトレードには様々な解釈があり、状況によって強調される特徴が変わります。単純に文…

投資部門別売買状況(2)

次に注目したいのが、海外投資家地域別売買状況です。北米、欧州、アジア、その他の4つの地域別で集計されています。 ここで注意しておきたいのは、海外投資家の定義です。居住場所での区切りとなるため、日本企業でも海外拠点であれば外国人投資家に分類さ…

投資部門別売買状況(1)

投資部門別売買状況は東証が集計して発表しているデータです。個人投資家や外国人投資家の動向を知るために非常に重宝します。 よく知られている特性として、個人投資家は逆張り指向であり外国人投資家は順張り指向と言われます。また、市況は外国人投資家が…

過去記事-株価とマクロ経済学(3)

最後に株価とマクロ経済の関係をまとめます。 マクロ経済学において現在における資産価値は、「現在から将来に渡って手に入る収益の和」で表します。ただし将来における収益(貨幣収益)を考えるとき、その貨幣価値は現在における貨幣価値に対して減価して考…

過去記事-株価とマクロ経済学(2)

為替と物価の話に先立って、まずは金利iが為替に与える影響について説明します。 金利と為替の関係は、購買力平価および利子率平価から以下の式で表すことができます。この式は有名な理論のため説明は割愛します。ダッシュなしは本国(ここでは日本)、ダッ…

過去記事-株価とマクロ経済学(1)

マクロ経済学は経済学の一種で、個別の経済活動を集計した一国経済全体を扱うものです(wiki)。マクロ経済学の基本は、GDP(国内総生産)をベースに語られます。 GDPとは、「一定期間において国内で生み出された財・サービスの総量」と定義され、いわ…